学び

活字読書と音声読書の併用メリット

Manabi Start 運営者

■ 「読むか、聴くか」ではなく、使い分けると読書はもっと自由になる

本を読むなら紙や電子書籍。
忙しいならオーディオブック。

そんなふうに、活字読書と音声読書を「どちらか一方」と考えてしまいがちです。

でも実際には、この2つは競争相手ではありません。

文字で読むのが得意な場面もあれば、耳から聴くほうが使いやすい場面もあります。むしろ両方を使い分けることで、読書時間を増やしながら、必要なところはしっかり理解するという柔軟な読み方ができます。

研究でも、読解と聴解の理解度を比較した46研究・4,687人のメタ分析では、全体として両者に大きな差は確認されませんでした。一方、自分のペースで読み返せる条件や推論を必要とする内容では、文字で読む側に利点が出る傾向もあります。

この記事では、活字読書と音声読書を併用するとどんなメリットがあるのか、具体的な使い分け方まで紹介します。

■ まず整理:活字読書と音声読書は「得意なこと」が違う

活字読書の強みは、止まれることです。

分からないところで止まり、前のページへ戻る。重要な部分を読み返す。図や数字を確認する。自分の速度で情報を処理できます。

一方、音声読書の強みは、目と手を使わなくても本に触れられることです。

通勤、散歩、家事など、これまで本を読めなかった時間にも使えます。

ざっくり分けると、

  • 活字読書 → 深く理解するのが得意
  • 音声読書 → 本に触れる時間を増やすのが得意

という違いがあります。

どちらか一方に全部任せようとするより、それぞれの長所を使ったほうが読書はラクになります。

■ メリット①:読書できる時間そのものが増える

併用の最大のメリットは、単純に本に触れられる時間が増えることです。

紙や電子書籍を読むには、基本的に目と手が必要です。

でも音声なら、

  • 電車で立っている時間
  • 徒歩で移動している時間
  • 洗濯物をたたんでいる時間
  • 部屋を片づけている時間

にも利用できます。

夜に30分読書時間を作ろうとすると難しくても、通勤15分+家事15分なら取れる人は多いでしょう。

「読書のために時間を空ける」のではなく、今まで読書に使えなかった時間まで読書時間に変える。これが併用の強さです。

■ メリット②:音声で全体をつかみ、文字で深掘りできる

かなり使いやすいのが、

音声 → 活字

の順番です。

まずオーディオブックで一冊をざっと聴きます。

細かい部分をすべて覚える必要はありません。

「この本はこういう話なんだな」
「この章は重要そうだな」

という全体像だけつかみます。

そのあと、特に気になった部分だけ文字で読む。

これなら最初から全部を精読するよりも、どこに時間をかけるべきか判断しやすくなります。

ビジネス書や教養本では特に使いやすい方法です。

■ メリット③:文字で分からなかった内容が、音声だと入ることがある

逆のパターンもあります。

文字で読んでも、どうしても頭に入らない文章があります。

難しいからというより、

  • 文体が固い
  • 長い文章が続く
  • 集中が切れている

といった理由で進まないこともあります。

そんなとき、ナレーションで聴くと文章の区切りやリズムが分かり、意外とすんなり内容が入ることがあります。

同じ本でも、入口を変えるだけで理解しやすくなることがあるわけです。

読めないから本を諦めるのではなく、一度耳から入れてみる。この選択肢を持てるのは大きなメリットです。

■ メリット④:復習がかなりラクになる

活字で一度読んだ本を、後からオーディオブックで聴く使い方もおすすめです。

一度内容を知っているので、

「そうそう、ここが重要だった」
「こんな話もあったな」

と記憶を呼び戻しながら聴けます。

ゼロから理解する必要がないため、通勤や家事のような“ながら時間”とも相性がいいです。

逆に、最初に音声で聴いた本を後から文字で読み直すのも有効です。

つまり、

  • 1回目 → 音声で全体像
  • 2回目 → 活字で重要箇所

でもいいですし、

  • 1回目 → 活字でしっかり読む
  • 2回目 → 音声で復習

でも構いません。

同じ本を違う形で再接触できるのが、併用ならではの強みです。

■ メリット⑤:目が疲れた日でも読書を続けられる

仕事で一日中パソコンを使ったあとに、さらに電子書籍を読むのはつらいことがあります。

そんな日は、文字読書をやめて音声に切り替える。

反対に、耳が疲れたり、静かに自分のペースで考えたくなったりしたら活字へ戻る。

こうした切り替えができると、読書習慣そのものが途切れにくくなります。

重要なのは、

「今日は読めないから読書を休む」ではなく、「今日は聴く」に変えられること。

読書方法を一つに固定しないことが、結果的に継続につながります。

■ メリット⑥:本によって読み方を変えられる

すべての本がオーディオブック向きではありませんし、すべての本を活字でじっくり読む必要もありません。

たとえば、

音声と相性がいいもの

  • エッセイ
  • 小説
  • 自己啓発
  • ストーリー中心の教養書
  • 一度読んだ本の復習

活字と相性がいいもの

  • 専門書
  • 図表の多い本
  • 数字を確認する必要がある本
  • 手順書
  • 何度も読み返したい内容

このように分ければいいわけです。

「本は最初から最後まで同じ方法で読むもの」という考えを外すだけで、読書の効率はかなり変わります。

■ 「同時に読む+聴く」は効果が高いのか?

ここは少し注意が必要です。

電子書籍を目で追いながら、同じ内容のオーディオブックを同時再生する方法があります。

一見すると、目と耳の両方を使うので記憶に残りそうですよね。

ただ、2016年の研究では、成人91人を

  • オーディオブックのみ
  • 電子テキストのみ
  • 文字+音声の同時利用

に分けて比較したところ、直後の理解度にも2週間後の保持にも有意な差は確認されませんでした。

つまり、「文字と音声を同時に使えば必ず学習効果が上がる」とまでは言えません。

併用の本当の強みは、同時に使うことよりも、場面や目的によって切り替えられることだと考えたほうが自然です。

■ おすすめの併用パターン①:通勤は音声、自宅は活字

最も簡単なのがこの組み合わせです。

通勤

オーディオブックで聴く。

気になった章だけ紙や電子書籍で読む。

これなら新しく勉強時間を作らなくても、日常の中で自然に復習できます。

「通勤で聞いたところを夜に確認する」という流れができれば、音声が単なる聞き流しで終わりにくくなります。

■ おすすめの併用パターン②:最初の1周は音声、2周目は活字

少し難しい本なら、この方法がおすすめです。

最初から理解しようとすると挫折しやすいので、まず音声で全体を聴きます。

細部は分からなくても構いません。

そのうえで活字を開くと、

「ここ、聞いたところだ」

という状態になります。

まったく知らない文章を読むよりも、全体像を知っている状態で読めるので、入りやすく感じることがあります。

■ おすすめの併用パターン③:活字で読む本と耳で聴く本を分ける

同じ作品で併用しなくても構いません。

たとえば、

  • 朝の通勤 → オーディオブックで教養本
  • 夜 → 紙の本で小説

のように、そもそも別の本を並行してもいいです。

これなら「今日はこの本を読む気分じゃない」という日でも、別ルートで読書を続けられます。

読書習慣を長く続けるなら、複数の入口を持っているほうが強いです。

■ 併用するときに気をつけたいこと

便利だからといって、インプットを増やしすぎるのは逆効果です。

朝から夜まで常にオーディオブックを流し、空いた時間は活字を読む。

これでは、頭の中を整理する時間がなくなってしまいます。

おすすめは、1冊聴いたら一言だけでも振り返ることです。

  • 何が印象に残ったか
  • 自分の生活で使えそうなことは何か
  • もう一度文字で読みたいところはどこか

これだけで十分です。

読書は量だけではなく、一度自分の中で整理する時間も大切です。

■ まとめ:活字と音声は競わせるより、役割分担したほうが強い

活字読書と音声読書は、どちらが優れているかを決める必要はありません。

活字には、

  • 自分のペースで読める
  • 戻りやすい
  • 深く考えやすい

という強みがあります。

音声には、

  • スキマ時間を使える
  • 目を使わない
  • 本に触れる時間を増やしやすい

という強みがあります。

研究上も、平均的な理解度では読むことと聴くことに大きな差が見られない一方、内容や条件によって向き不向きがあります。

だからこそ、

移動中は聴く。
深く理解したいところは読む。
一度読んだ本は耳で復習する。

こんな使い分けが現実的です。

「読書=本を開くこと」と決めつけず、目と耳をその日の状況に合わせて使い分けてみてください。

読書に使える時間が増えるだけでなく、本との付き合い方そのものが、かなり自由になるはずです。

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日々の学びをもっと楽しく、もっと身近に。 本やオーディオブックを活用しながら、自己成長につながるヒントを発信しています。
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